昔のオーディオ装置・「真空管アンプを作る愉しさ」・想像と創造

物を作るという事は、少年時代を思い出して楽しい事です。でも、世の中は何でもどんどん進歩してついていけません。昔のままで変化も少なく、高齢になになった今でも作れそうな趣味は球管アンプでした。

 

真空管アンプ製作の愉しみは、単に球のアンプを作るというだけではなく、色んなことを想像しながら造るという事です。球管にはたくさんの種類があります。小型のミニチュア管というのは小出力で小型にできます。昭和の初期のST管ならやさしい音色です。がっしりと丈夫な球ならGT管で貫禄もあり音色もどっしりします。どの球に決めるか迷います。 また、球には3極管~5極管~ビーム管などがあり、やはり音色に差があります。最後に組み立てる為の設計図となる配線図「回路図」が必要です。この配線図によってさまざまに音が変わることもあります。これらが作る前の段階の一つ一つ迷う愉しさです。

 

さらに真空管の魅力は昭和への郷愁です。物がない時代の最新の技術だったのです。ガラス管、GT管、ミニチュア管、それぞれの手触り感は忘れられないものです。 

 

そして最大の楽しさは、完成したアンプの 最後のスイッチオンの時です。果たして音は出るだろうか、火花が飛ばないだろうか、その瞬間時の興奮です。

 

最初のころはアンプも年に数台くらい製作していました。作って音色を聴いてから気に入らないと、また作り直しを繰り返していたのです。今は年に1台を目標にしてボツボツやっております。

 

オーディオの世界も奥が深いため、それらの機器類や部品類にも大きな価格差があります。高級品で一切をそろえるなら、メーカー製で可能です。それが出来ないから自作して楽しんでいます。

 

最近製作したアンプ

最近話題の「スピーカー・マトリックス」というのが、とても音が良い、という記事を見ましたので試してみようと思いました。その方式はアンプ2台にスピーカー4個を繋いで聴くそうです。しかもアナログアンプでするそうで、何故かデジタルアンプは1台しか使えないようです。

 

1台目のアンプには普通にスピーカーをつなぎますが「デジタル化」、2台目のアンプはスピカーの接続方法が違うのです。スピーカーのプラスをアンプのプラスに、スピーカーのマイナスもアンプのプラスへ繋ぎます。アンプのマイナス側は使はないのです。…詳しくは・「Stereo・2014年・1月号・より」   

 

そこで古い部品を集めてアンプを作ってみました。大きめの古いシャーシーに2台のアンプを一緒に組み込んで纏めることにしました。1台目のアンプはEL34シングル及び「差し替え」6V6シングル・2台目は6L6GCシングルにしました。どちらも小型アンプですから、こじんまりとした中古のアンプとなりました。両方とも、良い感じの音になりました

 

最近、また昔懐かしい6V6ppの音が聴きたくて作ってみました。この球はPP にしてもそれほど大きな音量にはならず、長時間聴いていても疲れることはありません。もう手先が思う様にならず、配線も拙くなり、組み立てるのにとても手間取りましたが、何とか完成、まぁまぁの音色だと思って聴いております。

 

              製作の記録写真…2019年10月30日・完成